補正を重ねた数字に、有意差なし。

 放射能汚染で癌がおこるためには、『問題の』60−79kBq/m2のところでも癌が増えてもらわねばなりません。それで前述の補正を重ねて出してきた数字がこれです。

左側を拡大する。60-79kBq/m2の所に注意。

右側を拡大すると、60-79kBq/m2のところが線量に応じて危険率が上がるようになっているのは、様々な補正を全て加えた後であることに注意。しかも、括弧内の95%信頼度のところは全て1を含んでいる。ということは、別に1(=対照としたところと同じ)であっても不思議はないということ。

この表をよく見ると、60−79kBq/m2の領域の数字が1を越えて、もっともらしく癌のリスクがあがると結論づけるためには、全部の条件による補正が必要だったことがわかります。ところが悲しいかな、この数字すべて有意差がありません。95%信頼範囲をみると、全部偶然であるといっても良いのです。ところが、この数字をポワッソン分布だと仮定して再帰曲線を書くと、11%という数字が出てきました。ただし、これの信頼度95%の範囲は、3−20%です。計算の綾で、ぎりぎり正の相関が出てきていますが、もとにしているデータの有意差がないことを考えると信頼にたるものとは思えません。