意味がない理由(1)もともと、チェルノブイリでの90%以上の小児甲状腺癌は7q11遺伝子重複があるかないかに関らず、チェルノブイリの原発事故が原因である。

後ほど論文については書きますが、チェルノブイリの汚染地域で甲状腺癌を発症した子供の甲状腺癌の組織を調べて7q11の遺伝子異常がある割合は、4割。小児甲状腺癌を汚染地域で発症していても、6割の患者には、この遺伝子異常はない。しかも、ベラルーシでは、一番ひどい年(1995年)で通常の100倍、20年平均でも10倍の小児甲状腺癌が発症しています。だから、遺伝子検査をしなくても、もともと9割以上がチェルノブイリ事故由来であることが分かっているものを、チェルノブイリ事故である事を示すために、4割しか分からない検査をする意味はありません。この検査は、甲状腺癌の機序を解明し、ひいては治療に資するためのもので、甲状腺癌の原因を同定するためのものではありません。