FISHによる確認

細胞の中でのコピー数の確認方法には、fluorescence in situ hybridization = FISHといって、蛍光標識プローブを使って、遺伝子の数を組織切片で数える方法があります。ここで、彼らは、参照用として、コピー数の変化していない2番染色体のセントロメアの側のBACクローン(RP11-136K15)を用い、RFC2とCLIP2の載っているBACクローンをプローブとして、FISHを行いました。(参照用のプローブで2個標識できれば、その細胞が多倍体でないことが示せます)

Array CGHによる遺伝子の網羅的な検索と一致して、コピー数が増えている検体では、参照用のシグナルに対して3/2、増えていないものでは、参照用のシグナルに対して、2/2であることが分かりました。つまり、7q11の重複がおこっている検体では、3コピー、おきていないものでは、通常と同じく2コピーであることが分かりました。


実際の写真。これは、患者、UA0135(つまり、Zhytomyr地区の男性、15.6歳、甲状腺乳頭癌、RET/PTC なし、BRAF変異なし)の切片を参照用のプローブであるBACクローンRP11-136K15(白矢印のついた緑色の点、2番染色体のセントロメア近傍)と、BACクローンRp11-422O01(黄色い矢印のついた赤い点、CLIP2を含む、7q11の重複領域の中にある)で、染色したものです。青く大きく丸い団子みたいなのは、細胞核

これを見ると、コピー数が増えていた患者では、だいたい、参照2に対して7q11は3つ。(細かいことを言えば、全ての組織の細胞が3つにはなっていなくて2つのものもある。3つに重複している細胞は最大24%。)