緊急被曝状況は中央集権的に管理、現存被曝状況は分散的に管理。

放射線防護の戦略は、緊急時には中央集権的に果断な処置が求められるが、ある程度被曝が下がり、長期的な問題になる時は、現実の生活の向上を主眼として、該当住民の直接参加を旨として分散的な防護戦略に移る。

勧告では、緊急被曝状況から現存被曝状況への移行は、当事者の合意と理解が伴うべきであるというが、正直にいって、今回の政府の緊急被曝状況から現存被曝状況の移行はなし崩しに行われている。もっと率直に言えば、緊急被曝状況や、現存被曝状況の防護戦略の違いなど、政府自身が理解していないのではないか。このような状況で、いかに当事者間の合意をとるのか、現実どうすればよいのか、私には良く分からない。

もっとも、今、人が住んでいる領域は現存被曝状況だから、政府の理解がどうであろうと、現存被曝状況の対策を進めれば良いと思う。政府が住んで良いと言った時点で、これは現存被曝状況であることを認めたことになるから、政府には領域内での個人の放射線防護を支援する義務があると同時に、まともな生活、収入手段を保証する義務が生じていることは知っておいた方がよい。

本当に大変なのは、飯舘村警戒区域で、現時点で人が住んでいないから、ここは緊急被曝状況から明示的に現存被曝状況へ変わる。現在、飯舘村警戒区域自治体が、政府と区分分けの交渉を行っているが、これは一応当事者の合意と言えなくもない。

(8) 人々が希望した場合に、汚染地域に住んで良いという許可を出す決定は、当局によりなされ、この決定が事故後の回復期の始まりを示す。この決定をするということは、個人に対して放射線による健康被害の可能性から防護することができることと、尊敬に値する生活様式と収入源を含めて、持続可能な生活状況を提供することを意味する。

(8) The decision to allow people to live in contaminated areas if they wish to do so is taken by the authorities, and this indicates the beginning of the post-accident rehabilitation phase. Implicit with this decision is the ability to provide individuals with protection against the potential health consequences of radiations, and the provision of sustainable living conditions, including respectable lifestyles and livelihoods.