私の雑感

COMARE報告は今までの大規模調査とほとんど同じ結論です。大部分の場合は白血病原発の相関はない。しかし、少数の所で『統計的に有意な』小児白血病の集団が原発近傍で見つかる。

このCOMARE報告の記事で引用されているKiKKの研究というのは、まさしく私が、私がECRRを狂気の集団と呼ぶわけで引用していた、Kaatsch, 2008 の論文の事です。前回にも書きましたが、

  • 範囲を細かく(半径5キロ)のところに限定した場合の統計的有意、というのはそれでよいの?
  • 相関は因果関係とは違う。少なくとも、原因は結果より先におこることを示さないといけないのでは?

という批判点のうち、後者に関して、*原発建設候補地*での小児白血病集団の存在を示しているところが、COMARE報告で秀逸な点です。まだ、原発はできていないところで、小児白血病患者の集団がみつかるのはどういうことなのか。少なくとも、原発が小児白血病の原因ではないことは明らか。

この例では、

  1. そもそも統計的に有意ということ自体が間違っているのか
  2. 候補地になりやすい条件と小児白血病が発生しやすい条件が一致している(共通の原因と成っているもの=交絡因子)のか

が分かりません。

私の意見は、全白血病患者を座標を決めたKiKKのグループなら、白血病患者の実際の分布が分かる筈だから、それが、想定しているポワッソン分布とどう違うのか(同じなのか)検証すべきだと思います。5キロなんていう範囲を言い出したのだから、それを検証すべき。