2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

甲状腺癌は手術でなんとかなる。死亡率は低い。

不幸な事にチェルノブイリは海から遠く、もともとヨウ素の摂取率が低いことも災いした。ただ、不幸中の幸い、甲状腺癌は手術がしやすいので比較的生存率はよい。4000人の患者で死亡が20人程。だが、甲状腺ホルモンは生きるのに必須なので、甲状腺を摘…

ソビエトの退避優先の方針では甲状腺癌を防げていない。

ソビエトでの事故ではこういう対策がとられていなかったので、無用な甲状腺癌患者を出してしまった。もし、日本で小児甲状腺癌の患者が出れば、本当に恥ずかしいこと。ソビエトの強制退避を賞賛する人がいるが、小児甲状腺癌の結果をみると、とても褒められ…

甲状腺癌は予防できる。食べなければよい。しかも、半年もすればなくなる。

ただし、この甲状腺癌は簡単に防御できる。甲状腺は特殊な臓器でヨウ素が集中する。ただ、ヨウ素は体には貯留せず、数日で排出されてしまう。ヨウ素131は半減期8日と短いから、ピークは最初の二ヶ月のみ。緊急退避が意味を持つのはこの二ヶ月。大量放出…

ヨウ素131は甲状腺癌をひきおこす。

原発事故によると明確に分かっているのは、ヨウ素131による小児甲状腺癌の増加だけ。もともと15歳以下である小児甲状腺癌は非常に少ない。(事故前1/1000万人/年。15歳以上の甲状腺癌なら1/10万人/年。)その小児甲状腺癌が事故10年で…

重い核種は遠くに飛ばない。ウランとかプルトニウムはどうでもよい。

ストロンチウム、ウラン、プルトニウムで広域を汚染させる事が出来るのは、大気圏内核爆発のみです。日本でのこれら放射性物質の降下は1963年が最高でしたが、核実験が停止されてからはどんどん下がっている。チェルノブイリ事故でも、ヨウ素、セシウム…

原発で大事なのはヨウ素とセシウムだけ。

原発事故では全ての放射性物質を考慮する必要はない。出てくる核種は色々あるが、大量に出てきて意味を持つのは、ヨウ素131とセシウム134、137だけです。これら比較的低温で気化する核種は、爆発がおこれば遠くまで風に運ばれる。ストロンチウム、…

被爆だけが恐ろしいものではない。

広島長崎の被爆者の場合は、被曝していない人より癌は多いのにも関わらず、男女とも死亡率は被曝していない人より9%程低い。つまり、4Sv(!)位までの発癌のリスクは、無料の健康診断、病気の早期発見などでおつりがくる程度の被曝だということ。だから、…

チェルノブイリの移住基準は5mSv/年、しかし移住の負担は大きかった

チェルノブイリでの強制疎開基準は5mSv/年です。中部大学の武田さんなら、それで何が悪いとおっしゃるかもしれませんが、その結果何がおこったかというと、村落の共同体の崩壊と、超過疎化、アルコール中毒、若者の脱出、失業、精神不安定な人の続出です。何…

『集団での死亡予測』の人はまだ死んでいない

しかし、大規模事故の場合は、無限に資源があるわけではないので、放射線防護に資源を浪費することでの被害が出てきます。なにせ、かけ算なので、かけ算する人数が多ければ、計算上の『集団での死亡人数』は天文学的に増えます。どんな犠牲を払っても被曝を…

低線量でのLNT仮説による計算は、予測になっていない

現在、ICRPは集団線量を損得計算に使うなと言っていますが、LNT仮説を認めれば、結局はあまり変わりません。線量が自然線量(1-10mSv)に近いレベルになると、(人の受けた線量)も推定になれば、(死亡確率)は完全に空想上の仮定になります。そもそも、線…

通常営業でのLNT仮説をとった防護は大した問題ではない。

ICRPの『正当化』の考えは私も認めますが、損得計算の損を上の計算での『集団での死亡人数』とすると、放射線被曝に対し、厳しい制限を課し、被曝を少なくするために、大量の資源をつぎ込むことになります。通常時資源に余裕のあるときは、単に手間が増える…

集団線量

ICRPは、LNT仮説をとって、しかも、(現在は放棄しましたが)『集団線量』という概念を作り出しました。どういうことかというと、まず、線量は人を越えて足し算できる、と仮定する。 (ある人の受けた線量)+(別の人の受けた別の線量)+…=(集団線量)。…

線形しきい値なし仮説

だんだん線量が低くなると、(本当はどうなっているのか分からないけれど)0になるところまで癌になる確率を直線的に引こう、という考えが、線形しきい値なし=Linear Non-Threshold (LNT)仮説。これをICRP(国際放射線防護委員会)は採用しています。

線形しきい値なし仮説

放射線を浴びると癌になります。