チェルノブイリの移住基準は5mSv/年、しかし移住の負担は大きかった

チェルノブイリでの強制疎開基準は5mSv/年です。中部大学の武田さんなら、それで何が悪いとおっしゃるかもしれませんが、その結果何がおこったかというと、村落の共同体の崩壊と、超過疎化、アルコール中毒、若者の脱出、失業、精神不安定な人の続出です。何度も書いているかもしれませんが、人を強制移住させると必ず誰か死にます。チェルノブイリ フォーラム(2003-2005)の報告を読むと、強制移住に対する強い懸念が分かります。癌は防げた、でも失業し、癌より先にアル中で死んだ、では何の意味もない。それこそ、強制移住にも(死亡確率)がある。ICRP 109で、『1-20mSv/年の地域に、住んでも良いのではないか』といいはじめ、ICRP 111でもそれを踏襲しているのは、チェルノブイリ フォーラムの影響があるのじゃないかと思います。もっとも、日本では、原発事故は絶対にないことになっていましたし、事故に備えて放射線管理区域の法律を変えることもしておりませんでした。