まずは、チェルノブイリでプルトニウムがどう飛散したのか。


出典 IAEA pub 1239 Fig 3.9 色づけされたところは、3.7kBq = 3700 Bq/m2以上のところ。

チェルノブイリでは、原子炉の蓋が爆発で吹き飛ばされて、しかも黒鉛の炎上火災を10日ほどおこしたので、プルトニウムは盛大に飛散しています。図に加えた30kmの円が、チェルノブイリ排除区域(Chernobyl Exclusion Zone = CEZ) にあたりますが、そのほぼ半分くらいの地域は3.7kBq/m2以上のプルトニウム239+240の汚染地域となっています。プルトニウム半減期は長いので、この地域は、今回の文明では忘れる事になります。

ここで、注意してもらいたいのは、チェルノブイリから同心円状に汚染されているのではないこと。チェルノブイリ自体はウクライナにありますが、ウクライナの北の端で、ベラルーシウクライナの国境が接するところにあります。地図をみると、汚染地域の半分くらいはベラルーシであることが分かります。そして、汚染の中心は、チェルノブイリではなくて、その近くの町、プリピアットです。住民が強制移住させられて、いまだに死の町になっているところです。

さらに、ウクライナ領内の細かい地図をみると、

出典 IAEA pub 1239 Fig 7.4d (単位はkBq/m2)
そのプリピアットの近傍は、普通に20kBq/m2 (=2万Bq/m2)を越えていて、一番ひどい所は、1MBq/m2 (= 1000 kBq/m2 = 100万Bq/m2)を越えていることが分かります。地図の濃い青のところは、貯水池です。この地図では、先ほどの排除地域 (CEZ)が分かりにくいので、矢印で、その線を示しています。