ラテン系の難解な語彙?

米軍など駐留軍部隊やイラク移行政府要人、さらに多数派シーア派を標的にした反政府武装勢力のテロ活動を、英語では「insurgency」「insurgence」と呼んでいる。なぜ「revolt」「rebellion」「uprising」という日常語を使わず、ラテン語の「surgo」(立ちあがる)を語源とする難しい言葉をつかうのか。やはり「革命」や「蜂起」を連想させる言葉では正当化もしくは非難の響きがあり、それを無意識に避けようというバランス感覚が編集者や記者に働いて、ラテン系の難解な語彙で「韜晦」(とうかい)するのだろうか。

まず、私はここが気になりました。そもそも、英語は、日本語から漢語が分離できないのと同様に*1、大陸系の特にラテン語系の言葉は深く侵食しています。このrevoltもrebellionもフランス語を介して入ってきたラテン語で、uprisingだけがまさに英語の大和言葉。だから、この『日常語/難解な語』という区分けは違います。

実際、英語のニュース*2を聞いていると、insurgencyは特別な言葉ではなく、イラクの反政府活動は全部そう呼ぶのが普通です。どうして、それが韜晦なんだろうか。時々、insurgentsの代わりにrebelsとも言っています。しかし、決してrevolt*3やuprising*4のことではない。

*1:うま、うめ、ぜに、ちゃ

*2:BBC, WNYC

*3:revoltはあまりそもそも言わない。revolutionなら、これは大きな変革を伴う時代のうねりのことで、一つ一つの反政府運動をさしません

*4:これは逆に一つ一つのの武装蜂起のことで、持続した運動には使えない