巨大なリンカーン記念堂が西側から議事堂を睨む

まん中にある塔がワシントン・モミュメント(ワシントン記念碑)、北側にあるのがホワイト・ハウス(大統領府)、東の丘の上にあるキャピトル(国会議事堂)。その国会議事堂を西側から睨んでいるのが、一番目立つリンカーン・メモリアル(リンカーン記念堂)です。このリンカーンの像は大きく、壁にはゲティスバーグの演説が刻んであります。(The government of the people, by the people, for the people shall not perish from the earth. 人民の人民による人民のための政府は地上からなくならないであろう。)ここの記念堂にのぼると、reflecting pond(反射池)を前にして議事堂まで遮蔽物がなく、眺めがよい。あの、フォレスト・ガンプでガンプが女の子と抱き合ったのがその池です。


Memorialは当然言葉に淫するものなので、言葉がかかげられています。まるで、『光りあれ』と神様がいうと世界が作られたようなものです。像と言葉以外にはほとんど何もありません。


このリンカーンが偉いことになっている、というのは私には意外でした。つまり、アメリカ的には、南北戦争は大きなものとして捉えられているんですね。実際にどれくらいのものだったのか、以下の所でみてみます。
http://www.cwc.lsu.edu/cwc/other/stats/warcost.htm

Conflict Population (millions) Enrolled (thousands) Ratio
Revolutionary War 3.5 200.0 5.7%
War of 1812 7.6 286.0 3.8%
Mexican War 21.1 78.7 0.4%
Civil War: Union 26.2 2,803.3 10.7%
: Confederate 8.1 1,064.2 13.1%
: Combined 34.3 3,867.5 11.1%
Spanish-American War 74.6 306.8 0.4%
World War I 102.8 4,743.8 4.6%
World War II 133.5 16,353.7 12.2%
Korean War 151.7 5,764.1 3.8%
Vietnam War 204.9 8,744.0 4.3%
Gulf War 260.0 2,750.0 1.1%

ですから、徴兵された人の割合は、第二次大戦(アメリカにとってはヨーロッパ、大平洋の二正面作戦です)と同じ程度で国民の一割、というより、そもそも、一割を越えているのはこの二つしかありません。

Conflict Total KIA/Month
Revolutionary War 10,623 55
War of 1812 6,765 75
Mexican War 17,435 87
Civil War: Union 634,703 2,293
Confederate 335,524 1,553
Combined 970,227 3,846
Spanish-American War 4,108 96
World War I 320,710 2,816
World War II 1,078,162 6,639
Korean War 136,935 909
Vietnam War 211,471 526
Gulf War 760 148

ですから、南北戦争と第二次大戦が100万人、ベトナム戦争が20万人、朝鮮戦争が14万人となります。毎月当たりの戦死者では、南北戦争が3800人、第一次大戦が2800人、第二次大戦が6600人、朝鮮戦争が900人、ベトナム戦争が500人となります。

ということは、日本人の感覚では、先の大戦くらいの衝撃はあったことになります。