トニー・ブレアの面白さ。

http://www.nytimes.com/2006/08/04/world/middleeast/04iran.html

Muslims Warn of Surge in Terrorism
By THOMAS FULLER
Published: August 4, 2006

この短信を要約します。マレーシア・クアラルンプール郊外でのイスラム諸国会議で、イランのお騒がせ大統領、マムード・アーマディネジャドが今回のレバノン危機で一発かましました。

“Though elimination of the Zionist regime is the main solution to the current crisis, at this stage a cease-fire should be immediately established,” Mr. Ahmadinejad said, in remarks translated by Iran’s official Islamic Republic News Agency.

Prime Minister Tony Blair of Britain later called the comment “deeply unhelpful.”

シオニスト政権を消滅させるのが、現在の危機の最大の解決策ではあるが、ま、現時点では、停戦が直ちに確立されねばならない』とアーマディネジャド氏は発言した(イランのイスラム共和国ニュース・エージェンシーの正式訳による)。

英国のトニー・ブレア首相によれば、同氏の発言は『非常に、役にたたない』ものである。

このdeeply unhelpfulは、普通は、deeplyならhelpfulなんです。そこをunhelpfulとボケをかましているわけですが、同時に皮肉になっています。私、こういうの好きです。

論理的に言えば、確かにイスラエルが亡くなっても確かに危機は解決されるわけですが、このシオニスト政権(イスラエルのこと)云々の発言は、いま変人扱いされているアーマディネジャド大統領が交渉可能であることを示していると思います。一応建前を述べた上で、現実的なことも言っているだけ、北朝鮮よりはるかによいかもしれません。

また、『正式訳』云々というのは、先日、このア大統領が『イスラエルは地上から消え去るべき』と言った言わない、あれはペルシャ語から英語に翻訳された時に悪意の歪曲があったという騒ぎがあったので、わざわざ断ったものです。