爆笑問題はウヨク・コイズミに対抗する正義の味方

らしい。

久しぶりのノリミツ・オオニシの取材記事はなんと爆笑問題でした。どうってことない記事だと思いますが、私のひっかかったのはここです。

http://www.nytimes.com/2006/08/12/world/asia/12ota.html

Indeed, the comedian said certain subjects were off-limits, including the imperial family
and North Korea.
“North Korea has its history, and we have to disentangle complex issues,” Mr. Ota said.
“Nobody seems to grasp the whole picture of how the country was established, or how
Japan was involved.”
But with North Korea as enemy No. 1 in Japan these days, the subject is too delicate for
satire. Although Mr. Ota describes himself as contrarian, rather than left-leaning, his
anti-authoritarian streak runs counter to the ascendant right-wing views of Mr. Koizumi’s
government and makes him especially vulnerable to attacks.

つまり、爆笑問題の太田によると、
 タブーは皇室と北朝鮮
 北朝鮮の歴史はよくわからんし、複雑であって、北朝鮮の成立と日本がそれにどう関与したのかはっきり知っている人はいない
 北朝鮮は日本の第一の敵で、風刺には微妙すぎて不向き。ただ、ウヨク・コイズミ政権に反抗する太田(左翼ではない)は攻撃されやすい

という意味の段落です。そもそも、北朝鮮爆笑問題のタブーであるのかは、ここで、ノリミツ・オオニシがごまかしている『delicate』だからではなく、

 朝鮮総連が執拗に放送局に抗議をかけるから

です。別に『爆笑問題のタブー』ではなくて、『放送局、新聞などマスコミのタブー』です。単に近年そのタブーが崩れつつあるだけのことです。崩れたのは北朝鮮の拉致が確定したからです。つい数年前までは、『北朝鮮』と呼ばず、『朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)』と書けとか、そういうことがまかり通っていました。李英和さんのレンクが大阪で集会をした時に、総連が若い連中を連れて暴行したのが、初めて大阪府警が総連に強制捜査をかけたというのが実態です。微妙でもなんでもない。まことに露骨な話です。

また、ノリミツ・オオニシは引用する形で北朝鮮の成立に日本が関与したかのように匂わせています*1。が、日本が関与したとすれば、それは『日本が戦争に負けたこと』だけであって、分断を決定したのはソ連アメリカ(と国連の信託統治に反対した韓国の反信託派)です。南部朝鮮の人にとっては、分断していた方がまだましだったわけで、それが反信託派が悪いとは言いません。

*1:いわゆる、『半島分断の原因は日本』という朝鮮風のいい方