Body Double
これもTess Gerritsenです。
Body Double: A Rizzoli & Isles Novel
- 作者: Tess Gerritsen
- 出版社/メーカー: Ballantine Books
- 発売日: 2005/07/26
- メディア: マスマーケット
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今回の構成は少し違います。
- 最初の事件A'
- 妊婦が誘拐され、高級外車ディーラーの夫が浮気している事件A
- 射殺された女性を調べるうちに判明していく事件B
- 統合
となっています。
今回の事件A'は、アメリカの田舎町で、人里離れた山林に少年が学校の同級生の少女を地下の穴に閉じ込めて半殺しにする話です。閉所恐怖症の気が少しでもある人にはこれは怖い。
それに比べてこの事件Aはなんで妊婦が誘拐されるのかが分からない。しかも妊婦は穴の中に閉じ込められているが、殺すために埋めている訳ではない。事件A'に似ているが違う。
今回の事件Bは、おなじみのモウラ・アイルズ検死官の一卵性双生児が、検死官の自宅前でいきなり射殺体で見つかるところから始まります。アイルズ検死官は本人が貰い子なのですが、生みの親を知りません。死体で見つかるまで自分の双子の存在も知りませんでした。その射殺された双子のことを調べるうちに、骨が出てきて、更なる事件が分かる。
しかし、これがアイルズ検死官でなければならないのか。話が個人的すぎるというのが私の感想です。ただ、この穴の中に埋められた人の視点で書かれた恐怖、これは本物だと思います。さらに、この訳の分からない妊婦の生き埋めもどきには、ちゃんとした合理性があることが判明します。そういう意味では、理屈のある怖さがきちんと説明されています。
ただ、どうして、Tess Gerritsenは人を殺すのか。ここで出てくるDr. Odnellは新作のメフィスト・クラブでも再登場しますが、ちゃんと殺されます。必ず登場人物が主人公の前に出てきて、順繰りに殺されていくのは、新陳代謝を見ているかのようです。