これも、耳で聞いた本です。

Cold Case

Cold Case

サイコスリラー風のもので、Jonathan KellermanとStephen Whiteは友達なそうです。作風も似ています。
この本では、日本人の女の子が出てきます。数十年前にアメリカのど田舎で殺されたマリコ、とその女友達。その迷宮入りした事件(コールド・ケース)を掘り出していくと、その田舎まちの隠されていた秘密がぼろぼろと出てくる、そいういう話です。

アメリカでは殺人事件には時効はありません。だから、何十年前だろうと捜査を続けることがあります。特に最近ではDNA技術を使って犯人を再捜査することが多くなっています。特に殺人や強姦では血液、精液などDNAが比較的簡単に手に入る事件です。この本ではDNAは絡んできませんが、日本では時効になって捜査しないような事件に火をつけるというところはにています。

さて、この本、その日本人の家族が出てきますが、お父さんとお母さん、娘二人の四人家族がアメリカの田舎にスキーリゾートを作るというバブル時代の仕事をしている時に、お姉さんの方が行方不明になって、死体で発見される。お母さんは日本に帰ってしまう。下の娘は現在カリフォルニア州立大学で学生をしている。お父さんは日本の商社をやめて、別の仕事をしている。話はまあ普通のスリラーなのですが、問題はその妹の方なのです。

その妹の名前は『サトシ』なんです。その妹は、事件のあった直前に(それという認識のないまま)強姦されている(いわゆるstatutory rape)ことが事件の引き金になっているので、どう考えても女でないと困ります。感情をこめて『サトシ』と呼ばれる日本人の女性の身になってみると、困惑以外感じようがない。そもそも、『サトシ』なんて子供に名前をつけるのは、子供に『悪魔』とか、『たかしくん』とか名前を付ける人よりも倒錯しているのではないか、そんな子供ならどんな事件をおこしても・・・。と話の本筋に関係のない妄想がおこる本でした。

アメリカ人の書く本では、こういうことはよくおこります。名前が『スシ』とか『ゲイシャ』とか、もっといけば『ハナコ』じゃなくて、まだましとしておかなければなりません。