最後に長崎大学の山下さんは悪くない。

長崎大学の山下さんが100mSvまで大丈夫だ、と言っているのを私は分からないでもない。それを非難している人もいるのは知っています。が、ICRPのモデルでも、100mSvを被曝して癌で死ぬのは、三割方ガンでもともと死ぬ日本人のうち、0.5%。ということは、集団の立場で考えれば何人か死ぬ人が出る話だが、

個人の立場から考えれば、100mSvですら、99.5%の確率で放射能とどうせ関係なく死ぬ。

自分が死ねるのは、最大一人。おまけに、そもそも、100mSvから下の所のLNTは実はよく分からない。ただ、少なくとも100mSvよりましなことは確実。汚染地域で生き残る決意をした人なら、そう考えた方がよっぽど精神衛生に良い、そういう考え方はありえます。

それしか選択肢のなかった、日本の広島長崎の人、またチェルノブイリ強制移住で悲惨な目をみてきた人を知っている人なら、特にそう思っても不思議ではありません。つまり、厳しい選択をしないといけない立場から見れば、彼の言う事は実存的には正しい。ただ、政府の立場は違う。政府としては、いわれのない被曝、そこからくるリスクを減少させる義務があります。山下さんの言う事を逆手に取って、政府が除染の手を抜くなどということは許してはならない。

以上が、わたしが山下さんは悪くない、という理由です。