低度汚染地域に住む3つの理由。

一つ目には、強制移住の負荷は、他人が簡単に言う程軽くはないこと。前にも書きましたが、今回の双葉町の移送では45人が混乱の中でなくなっています。生命だけでなく、経済的な負荷も非常に大きい。

二つ目には、政治的な問題ですが、今、退去すれば、帰る事はできなくなること。戦時中の疎開ということを例に挙げている人がいましたが、問題が違う。戦争は数年で敗戦になりました。今回の場合、町中を除染するまでというのなら意味がありますが、除染もせずに半減期にまかせるだけだと、セシウムはなかなか減衰しないので、何十年も待つ事になる。政治的にはその町は終わります。誰がそんな町に住んでくれるのでしょうか。

三つ目は、現に日本に汚染地域に住んだ実例があること。それはもちろん、広島と長崎です。こちらは、原爆で爆死した人がいたり、戦後すぐの混乱期で、今日のようなまともな支援もできないなかで、はるかに厳しい選択でした。しかし、広島も長崎も復興して、癌で死んだ人はいますが、町は生き残っています。広島や長崎を放棄した方が良かったのか。そうでないと考える人は多いと思います。