2011-05-04から1日間の記事一覧

最後に長崎大学の山下さんは悪くない。

長崎大学の山下さんが100mSvまで大丈夫だ、と言っているのを私は分からないでもない。それを非難している人もいるのは知っています。が、ICRPのモデルでも、100mSvを被曝して癌で死ぬのは、三割方ガンでもともと死ぬ日本人のうち、0.5%。ということは、集…

低度汚染地域に住む3つの理由。

一つ目には、強制移住の負荷は、他人が簡単に言う程軽くはないこと。前にも書きましたが、今回の双葉町の移送では45人が混乱の中でなくなっています。生命だけでなく、経済的な負荷も非常に大きい。二つ目には、政治的な問題ですが、今、退去すれば、帰る…

中通りに残るかどうかは、一人一人の政治的決意の問題。

ここで、科学の話はおしまいで、後は政治的な話になります。ちゃんと除染をし、汚染されたものを食べないというような、合理的な対処をすれば、福島の中通りで住む事は一つのまともな選択肢だと私は思います。被曝する期間が長くなる子供は特に被曝を押さえ…

オーストリアの例を応用すると

今回の中通りの例に応用すると、セシウム137の降下は、このオーストリアの例とくらべて最大20倍(600kBq/m2)くらいだと思いますが、それであっても、セシウム内部被曝は、4.8 mSv/ 4年位を覚悟すればよいことになります。これは、意外と多くない。真面目…

福島の中通り、低度汚染地域ではどうなるのか。

ここは、最大で1-4µSv/h程度、今後核種の崩壊がおこり、さらに、適切な除染を行えば、10 mSv/年以下には下げられそうなところです。中部大学の武田さんには怒られそうな話ではあるが、この10mSv/年は、私は地球上に住むときのリスクだと思っています。根拠は…

セシウム134、137を実測した論文。

チェルノブイリで本当にセシウムの内部被曝を人間で実測した私の知っている二つの例のうちの一つで、オーストリアで実際に人間の筋肉からセシウム137を測った論文があります(J Nucl Med 32:1491, 1991)。これは、素晴らしい論文。この論文では、25-35 kBq…