ICRP111で言っている参考値は、最適化するために使う指標。最適化(例えば除染や個人モニタ)をしないのなら、意味がない。

ICRP publication 111で新しく出ているのは、1-20mSv/年の*下の方*に線を引いた、参考値=reference levelの考え方。*1これは、個人モニタを行って、高度被曝をしている人がいないことを確認し、できるかぎり下げる*参考*にするという意味。それ以下が無害などとは言っておりません。ですから、『ICRPは参考値を指標として個人の被曝をできるかぎり少なくするようにと言っているが(=最適化)、政府は個人モニタを使わずに、どうやって参考値より高く被曝した人がいることが分かるのか?』という質問になります。個人モニタをせずに分かる訳がありません。

以上が、私が文科省の方針や宣伝に反対している理由です。

*1:政府は『下の方』という文言を読まなかったことにしています。