2011-05-06から1日間の記事一覧

ICRP111で言っている参考値は、最適化するために使う指標。最適化(例えば除染や個人モニタ)をしないのなら、意味がない。

ICRP publication 111で新しく出ているのは、1-20mSv/年の*下の方*に線を引いた、参考値=reference levelの考え方。*1これは、個人モニタを行って、高度被曝をしている人がいないことを確認し、できるかぎり下げる*参考*にするという意味。それ以下が無…

ICRPが何もモニタも対策もとらなくて良いと言っているのは1mSv/年以下のところだけ。

ICRPに準拠すれば、1mSv/年以上はすべて正当化と最適化をしなくてはならない。

文科省はICRPのいう『最適化』を行っていない。

私がシツコク反対する二つ目の理由は、文科省はICRPの要求する最適化を行っていないから。『被曝するにしても、出来るだけ少なくすべき』。だから、ICRPは当局に対して、個人モニタや、除染等、合理的な措置を求めています(ICRP111)。『20mSv/年は無害(だか…

文科省の20mSv/年以下なら安全、という宣伝はICRPの採用しているLNT仮説に反している。

そもそも、原理原則として、ICRPはLNT仮説を採用しているから、どんな微量の放射線でもそれに比例したガンの確率があることを前提に話をしている(例えばICRP99)。もちろん、LNT仮説は『分からないことを分かった事にする政治的な問題』だから、LNT仮説をと…

文科省の決定は、ICRPの正当化原則に従っていない。

今回、私が文科省の通達および説明に対して、シツコク反対している一つ目の理由は、ICRPの正当化原則から『20mSv/年以下は被曝して良い』とは絶対に言えないから。利益がゼロのものに対して被曝するのは、ICRPの基本的な考え方からすれば、たとえ1mSvであろ…

汚染地域に住む人たちの『得』は主観的なものだから、当事者本人にしか判断できない。

ただし、今回の低度汚染地域では、放射線を受ける利益はないが、それに対する措置、例えば、疎開や移住を行えば害(不利益)がある。大量の人間を移送すれば必ず死人がでます。弱い人、病気な人がいる。家族がバラバラになる。それを考えると、疎開や移住を…

原発の被曝を医療被曝と比べることは筋違い。

枝野長官などは、CTがどうの、医療X線がどうのと医療被曝と比べていましたが、ICRPの正当化原則から言えば、トンデモない。医療は、CTなどによる診断の利益と、放射線の害を比較して診断の利益が多い時に患者の納得づくで受けるもの。患者の利益は最終的に患…

郡山市や福島市の被曝は正当化できない。

今回の原発事故の例をとります。低度汚染地域、郡山市や福島市の中心部では、正当化原則によると、放射線の害があることは明らか。放射線を受ける事そのものの利益はない。だから、正当化できない。伝統的なICRPの考え方に準拠すれば、結論はここでおしまい…

ICRPの考えでは、ジャスティフィケーション(正当化)、オプチマイゼーション(最適化)が大事。

基本的に*どんな微量放射線でもガンになる確率はある*から(LNT仮説)、『放射線を受ける利益と害があるとして、利益が多いとすればよし、害が多いとすればだめ』これが『正当化』です。同様に、『同じ被曝をするにしても、できるだけ少なくするべき』これ…

ICRPのいう正当化と最適化

もともと、この文章は、ジャーナリストの江川紹子さんが、東電会見で『ICRPに20mSvという数字を確認したのか』と質問をしているのを聞いて書いたツイートでした。私は、文科省の20mSv/年以下は安全であるという決定や宣伝に反対していますが、その理由を説明…