文科省の20mSv/年以下なら安全、という宣伝はICRPの採用しているLNT仮説に反している。

そもそも、原理原則として、ICRPはLNT仮説を採用しているから、どんな微量の放射線でもそれに比例したガンの確率があることを前提に話をしている(例えばICRP99)。もちろん、LNT仮説は『分からないことを分かった事にする政治的な問題』だから、LNT仮説をとらない、という立場もありえる。ただ、ICRPはそうしていないのだから、LNT仮説を無視する以上、ICRPに準拠しているとは言えない。江川紹子さんが政府に質問していた『20mSv/年はICRPに確認したのか』に対しては、ICRPはどの数字であっても『それ以下は無害』とは原理上答えられない。従って、正しい質問は、『ICRPに準拠するとどんなに微量の放射線でもガンの確率はあるといっているが、なぜ文科省ICRPに準拠していると嘘をいうのか』になります。ある数字以下は『無害』と言っているのは文科省であって、ICRPではない。