それであっても当然おこる疑問。
- その37人の集団がたまたま特異なのではないか?そもそも『ドイツの原発一般』でおこっているのか?特定の原発でおこっていることなのか?
- 『原発からの距離』は物質的には何が原因であるのか?著者がにおわせているような放射線被曝なのか?遺伝要因や、感染なのか?それとも社会的、文化的、歴史的な何かなのか?
- 『原発からの距離』が何かの原因を代表しているとしても、このドイツの分布状況は、世界の他の場所で適用できるのか?
最初の点に関して言えば、『たまたま』とはどういう意味か、ということに直結します。それに対して論文の筆者は、19基の原発のうち、一つずつ外して計算しても、結果は変わらなかった、と述べています。ただ、実は、Kruemmel原発の他にKahl原発の近くにもホットスポットがあることを私は知っています。だから、二つ外すと結果が変わるのじゃないか。原発との相関を調べるのであれば、個々の原発との相関を調べる必要があるのではないか。他の17基で変わらなかったら、それはKruemmelやKahl原発の近くの問題であって、ドイツの原発にすら一般化できない。本当は個々にはどうなっているんでしょうね。それは書いていません。