さらにもう一つの捏造記事

ただし、私が捏造と言っているのは、このWSJの記者のコメントを捏造したという記事(このコメントはWSJから抗議されて削除されているのは上記の通り)の話ではなく、『いわき漁港』の漁師さんの話でもなく、もう一つのzakzakの記事です。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120313/dms1203130814001-n1.htm

そこに「アーハス協定と核」の円卓会議に出席した、との話が載っています。

 実際にこの2月、私は、欧州・ルクセンブルクで開かれた欧州委員会とフランス原子力規制局共催の「オーフス会議」に日本代表として呼ばれ、「フクシマ」の現実について語ってきたばかりだ。

 四半世紀前、チェルノブイリの悲劇を経験した欧州の人々は、総じて放射能による環境汚染への危険意識が高い。

 その彼らの口を借りれば、「実は、日本の国民こそがもっともフクシマの情報を持っていないのではないか」(フランスMustadis代表、ジル・エリアール・デュブルイユ氏)ということになる。

ここで、問題となるのは、エリアール=ドブレイユさんのコメントのところです。以下、ドブレイユさんと書きます。現在ICRP主委員会委員でもあり、ICRP111の主筆でもあった、ロシャールさんという方がフランスにおられます。そもそもドブレイユさんは、ロシャールさんと一緒にベラルーシのブラギンでエートス活動を始めた時に一緒に仕事をした人です。何の得にもならない、被災地の人たちの生活という現実を何とか改善したい、という気持ちがなければできない仕事です。そういう人が日本人を小馬鹿にした発言をしていることになっている。これは怪しいので、ロシャールさんに頼んで、ドブレイユさんに聞いてもらいました。

これがロシャールさんに転送してもらうよう、私が送ったメールの該当部分の日本語訳です。

Date: Sun, 25 Mar 2012 03:18:54 +0900
Subject: Re: Mr Gilles Heriard-Dubreuil
===日本語訳===
上杉隆は、アーハス=コンベンションの記事を日本語で書いています。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120313/dms1203130814001-n1.htm

英語に直すと、こうなります。
=== ここから(私の書いた物は実際には英語。下記参照。)
実際にこの2月、私は、欧州・ルクセンブルクで開かれた欧州委員会とフランス原子力規制局共催の「オーフス会議」に日本代表として呼ばれ、「フクシマ」の現実について語ってきたばかりだ。
...
 その彼らの口を借りれば、「実は、日本の国民こそがもっともフクシマの情報を持っていないのではないか」(フランスMustadis代表、ジル・エリアール・デュブルイユ氏)ということになる。
=== ここまで

(ここの『Mustadis』は、まずおそらく、『Mutadis』の誤植)

ロシャールさんは、ブラギンでのエートスに参加していたから、エリアール=ドブレイユさんをよくご存知だと思います。私の、ドブレイユさんへの質問は以下の通り。

=== 質問 ここから
1. ドブレイユさんは上杉さんとそのルクセンブルグの会議で実際に話したのでしょうか。
2. それが本当だとしたら、ドブレイユさんは、上杉さんが上に引用しているように『日本の人が一番情報を知らないのかもしれない (the people of Japan may be least informed)』と言ったのでしょうか。もし、言ったのならそれは、どういう文脈ですか?
3. 言ったとしたら、記事にして良いという許可は出したのでしょうか。
4. ドブレイユさんは英語で話したのでしょうか?それとも通訳がいたのでしょうか?
=== 質問 ここまで