問題は、これが検証できないこと。

外部被曝はまだ検証可能で、モニターすれば推測があっているかどうか分かるが、内部被曝は適当もいいところ。さらに、放射線被曝が低ければ低い程、疫学的に有意の差で癌の死者が出ている事を示せない。おまけに、チェルノブイリでは原発事故で地域社会が崩壊しただけでなく、ソビエトそのものが89年に崩壊し、旧ソビエトの諸国でチェルノブイリに汚染されていない国まで軒並み平均寿命が10年下がっているという、社会全体が崩壊寸前の大変動が起きたため、少々のことでは大した事ない差になってしまう。そもそも、癌の最大の危険因子は加齢だから、年寄りがどんどん死ぬ社会では癌などどうでもよくなる。全世界での死者となれば、少々の『被曝による死亡者数』なら、もともと様々な理由で膨大な人が死んでいるなかで、被曝によって増えたのかどうかの検証は事実上不可能。