2011-05-18から1日間の記事一覧

科学と倫理は関係ない。『いわゆる科学的真理』と『いわゆる社会的倫理』が結びつくと問答無用のファッショな社会になる。

科学の方法の内部には倫理はありますが、社会的な意味での倫理は全く別問題で、科学そのもので社会倫理を規定する事はできません。例えば、今回でも、『ドイツ政府の研究では原発近傍5キロで小児白血病は2倍になる』話は、何度も出てきていますが、あれは…

マイケル=クライトンは著書のState Of Fearで、『科学的真理』から引き出された『社会的倫理』を批判している。

State of Fear作者: Michael Crichton出版社/メーカー: Avon発売日: 2005/11/01メディア: マスマーケット クリック: 35回この商品を含むブログ (7件) を見る私が好きなマイケル=クライトンの本のなかにState of Fearというエコテロリズムの話があります。そ…

科学は正しいか正しくないか分からない所を、確かめながら、これでどうか、と考える作業。

放射線防護と少し離れますが、私の持論を書きます。世間の人が科学と言っていることは、何か難しいことだけれど、正しいと分かっている(筈の)こと、という意味です。少し前のマルクス主義者の人たちが言っていた、『科学的社会主義』の、『科学』はそうい…

この検証できない死亡者数は、科学ではない。

科学哲学者のカール=ポパーは、科学は反証可能性のある命題をだすことだ、と言っています。反証できないものは、宗教とか、信念とか、別にあってもよいものですが、とりあえず科学ではない。ロシアでの60万人くらいの数字なら統計をとって反証できる可能…

問題は、これが検証できないこと。

外部被曝はまだ検証可能で、モニターすれば推測があっているかどうか分かるが、内部被曝は適当もいいところ。さらに、放射線被曝が低ければ低い程、疫学的に有意の差で癌の死者が出ている事を示せない。おまけに、チェルノブイリでは原発事故で地域社会が崩…

降下物から被曝を推測する。

この降下物からの外部被曝は、地面の放射性物質の量から空間線量に変換する線量係数を調べると分かる。ただし、この線量係数も、地中への浸透によって5倍くらいの開きがあるのは述べた通り。文科省の文章を読んだ人は、家に入るといくら、校庭ではいくら、…

では、どうやって推測するのか。

核種を限定して、ヨウ素131とセシウム134と137、これの降下を調べて、その降下から、外部被爆と内部被爆を推定することになる。ところが、非常に広域の汚染がある場合、核種の降下を調べるだけでも、何年もかかる。となると、ヨウ素131はとうに…

この全然違う数字は適当な推測にかけ算をしただけ。

LNTでは集団線量を計算して、それに死亡確率をかけると、死者数がでるという話でした。ところが、個々人の外部被曝を実測するにはモニタがいる。モニタを付けていた人は、リクビダートル、もしくはリキデーター、つまりチェルノブイリを掃除していた人たちだ…

大規模集団、低線量でのLNTに基づく予測は予測になっていない。

例えば、今中さんの『チェルノブイリ原発事故調査を通じて学んだこと』に載っていた、チェルノブイリでのガン死の予測は下記の通り。それぞれの予測によって言っていることが全然違います。