1997年のゴメル地域での検屍でのセシウム137は各臓器において小児の方が多い。


ゴメルはベラルーシで、チェルノブイリ事故でのセシウム汚染が最も高い地域です。図1に示されているように、調べられた全ての臓器で、セシウム137は小児の方が多い。この事自体は、子供の内部被曝の危険性が高いということを示唆しています。

ただし、この図に使われたデータは、平均を示しているだけで、大人と子供をどう定義したのか、何例測ったのか、標準偏差はどうだったのか、何も示されていません。従って、これだけで有意であるとは結論できません。

ちなみに、標準偏差を書いていないグラフを認めるのは、私は普通ではないと思います。だいたい、平均の棒グラフを書いて、16個中7つの値が丁度100で割り切れるなんて、データを100単位で四捨五入でもしない限り、ありえませんね。これだけで、私の場合、頭の中で火災報知器が鳴っているような気になってしまいます。

また、先にも述べたように、この最も高い甲状腺の値、1200Bq/kgは、この論文に載っている表1にも表2にも一致しません。ということは、別のデータ集団としか考えられませんが、測った検体がどう同じなのか、違うのか、そのことについては何も述べられていません。