2011-07-01から1日間の記事一覧
セシウム137が甲状腺に集積するかの方の歯切れは悪いのですが、セシウム137が小児甲状腺癌を引き起こさない、こちらは明白です。 Cancer consequences of the Chernobyl accident: 20 years on J Radiol Prot 26: 127, 2006 によると、小児甲状腺癌は…
英語のWikipediaによれば、もっとも有名なのは、チェルノブイリの実験の結果を発表したとして、ベラルーシの当局に逮捕され投獄された、と言われていることです。当局の主張では、学生の親から賄賂を受け取ったという罪で投獄したことになっています。200…
この論文の出しているデータとして、それぞれなりにセシウム137の蓄積は見られるものの、二つの表と一つのグラフに載っているデータは同じ物ではなく、平均ですら大きく異なります。私が査読をしているのなら、この段階で、実際の個々のデータを要求して、自…
これは表2に載っているものです。この表の説明には52人と書いてありますが、本文中は51人と書いてあるのは、ご愛嬌です。13臓器の測定の平均と標準偏差を載せていますが、この13臓器は表1のものと違って、骨格筋が入っていて、胃が抜けています。…
ゴメルはベラルーシで、チェルノブイリ事故でのセシウム汚染が最も高い地域です。図1に示されているように、調べられた全ての臓器で、セシウム137は小児の方が多い。この事自体は、子供の内部被曝の危険性が高いということを示唆しています。ただし、この図…
これが、表1に示されているものです。人の筋肉のカリウム40が100Bq/kgであることを基準に考えると、非常に高い値であることが分かります。ただ、この表1のデータは、次に説明する図1と一致していないし、(図1では甲状腺の平均は1200Bq/kg、この表…
最初に、復習します。周期律上セシウムはカリウムと同じ仲間で、セシウムの体内の挙動はカリウムと似ていると考えられています。カリウムは細胞外液には乏しく、細胞内に貯留されるので、量としては体内の最大の実質臓器である筋肉がほとんどを占めることに…
以前、汚染地域でのセシウム集積についての論文を読みましたが、近頃、セシウムが甲状腺に集積するという話が出てきています。その元となっている論文は、 Chronic Cs-137 incorporation in children's organs Y. I. Bandazhevsky Swiss Med Wkly 133: 488, …
結論から書くと、ある程度は集積するかもしれないが、極端に集積する訳ではない。ただし、小児甲状腺癌は引き起こさない。なんだか歯切れが悪い結論ですが、この甲状腺や、内分泌器官に集積すると主張しているのは、私の知っている限り、バンダジェフスキー…