ユーリ•バンダジェフスキーとはどういう人か。

英語のWikipediaによれば、もっとも有名なのは、チェルノブイリの実験の結果を発表したとして、ベラルーシの当局に逮捕され投獄された、と言われていることです。当局の主張では、学生の親から賄賂を受け取ったという罪で投獄したことになっています。2001年に8年の禁固刑を受け、2005年に仮出所しています。アムネスティ•インターナショナルなどは、良心の囚人としています。

今中さんのところにも、2000年頃の手紙があります。手紙の中で『英語の論文を用意しているところだ』というのが、表題からしてこの論文だと思います。

ベラルーシでは、ソ連崩壊後もルカシェンコ大統領がソビエト式の独裁体制を続けているので、うるさい学者を投獄するのはありえます。バンダジェフスキーは、大統領令21号『テロリズムと戦うための緊急措置』で逮捕されています。それでいながら起訴が学生から賄賂をもらったという、テロリズムと関係のない容疑で、しかも軍事法廷で裁かれているので、状況は真っ黒と言えます。

上に述べたようにこの論文には色々な欠点があり、また、『当局に都合の悪い事実』は『科学的な事実』を証明する訳ではありません。この事は日本でも同じです。ただ、ここまで異常な状況の中で、獄中から論文を出すだけでもバンダジェフスキーは偉いと、そこは認めるべきだと私は思います。ただ、ちゃんとした論文を書いていないことは残念なことです。

以上が、セシウム137は甲状腺にも若干蓄積する可能性はあるが、飛び抜けて多いわけではない、という論文でした。