2011-05-20から1日間の記事一覧

トンデルの論文と、LNTを使ってECRRは10年で10万人という福島リスク計算を出している。

元に戻ってECRRは福島リスク計算をどうやって出したのか。 2µSv/hで100キロ圏が一様に汚染され、全部セシウム137だと仮定した。 空間線量のデータから逆算して表面汚染の崩壊数を計算した(空間線量と表面汚染の関係は以前に書きました)。 放射性物質…

120kBq/m2程度の汚染では、癌のリスクは他の環境因子の影響よりも小さくて問題にならない。

では、このトンデルの論文から分かる事は何か。それは、セシウム137の120kBq/m2くらいの汚染がおこったスウェーデンでは、癌や死亡率などは他の環境因子(例えば都会に住むことなど)の方が大きく、少なくとも10年くらいの観察では、問題にならない大き…

独立していない数字で補正しているのは、ほどんど漫才。

しかも、この補正、よく考えるとおかしなことが分かります。人口密度によるリスクと、コミュニティの分類によるリスク、肺がんのリスク、全癌のリスクは独立なんでしょうか?こんなの独立な訳はありません。 昔聞いた漫才で、お父さんはよく働いている、とい…

補正を重ねた数字に、有意差なし。

放射能汚染で癌がおこるためには、『問題の』60−79kBq/m2のところでも癌が増えてもらわねばなりません。それで前述の補正を重ねて出してきた数字がこれです。 左側を拡大する。60-79kBq/m2の所に注意。 右側を拡大すると、60-79kBq/m2のところが線量に応…

都会に住むだけで癌は5−16%増える。

これがトンデルの出してきた、補正一覧です。 左側の拡大。最初の欄Aをみると、人口密度が40人/km2以上になるだけで癌のリスクは1.09から1.10になります。 ちなみに、トンデルはもっともらしい数字を出そうとしてこんな補正を出してきたのでが、トンデルの主…

トンデルのデータそのままでは、汚染濃度60−79kBq/m2のところでは、死亡者数は1割減る。

これが、全死亡になると、もっと変なことになって、増えているのは、40−59kBq/m2と、80−120kBq/m2のところだけ。残りの死亡率は減っていて、『問題の』60−79kBq/m2のところは1割以上も減っています(0−3kBq/m2のところと比べて88.9%)…

トンデルのデータそのままでは、汚染濃度60−79kBq/m2のところでは癌はちょっとだけ減る。

ここで問題が出てきます。この場合、データを載せているので計算ができてしまいます。生データからそのまま計算すると、60−79kBq/m2のところでは0−3kBq/m2のところに比べて、発癌比率がほとんど同じ。男は、102.3%ですが、女は97.6%。図で…

トンデルの論文の主張

トンデル論文の主張を簡単に書くと、こうなります。 1986年から1987年の値を基準にして、種々の補正を加えた結果、1988年から1996年のスウェーデンでの癌の発生率を調べると、セシウム137の100kBq/m2の放射性物質降下に対して、癌の比率…

もとの論文の表題を見てみる。

もとの論文は、J Epidemiol Community Health 58:2011, 2004 です。 私は普通こういう論文の表題だけをコピーするなどということはしないのですが、今回は例外です。 何か、ECRRが参考文献に載せているものと違いませんか?普通に注意力のある人には、ECRRの…

ECRRは「今後10年間で10万人が癌で死亡する」と主張

ECRRのクリス=バズビーはこのとんでもないリスク計算なるものを発表しています。 ECRR Fukushima Risk Calculation p9 Assuming that no one moves away and that the contamination remains at this level, using the Tondel et al 2004 regression coeffi…