2011-06-08から1日間の記事一覧

ECRRの主張する被曝によるがん患者の増加は過激な誇張

こういう論文から、ECRRへ至る論理はどうなっているのか、というと、(1)ドイツの原発の原発近傍でいくつかの小児白血病の患者集団がある。(これが最初の事実)個別の患者集団を*原発すべて*に一般化して、 (2)従って、『原発近傍に住むことは小児白…

ECRRは論文著者が言っていない事を言った事にしている。

ECRRが言っていたことを再掲すると、 ECRR 2010 p130 Recently, a study of childhood cancer and leukemia by distance from all the nuclear sites in Germany from 1984 to 2004 unequivocally demonstrated the effect; in children aged 0-4 the risk w…

この論文の2つの特徴は、『原発からの距離』との関係であること、『因果関係』ではないこと。

前述の、80年代では有意になることが90年代では有意になっていない、という問題のほかに、Kaatsch, 2008の論文と同じく、この論文には大きな字で『ただし』と書いておかなければならないことがあります。 もともと、このKiKKの二つの論文で本当に言いた…

計算モデルを変えても、有意差が小児白血病に由来することは同じ。

表4。 左半分の拡大。 右半分の拡大。 この状況は、計算モデルを変えた場合でも同じ。結局、小児白血病のみ差があります。以前にKaatsch, 2008の所でも書いたように、この小児白血病が有意になる理由は、いくつかの小児白血病の集団があって、その30数人…

『癌が増える』のは小児白血病の患者集団をまぜたから。

それで、表3に載っている結果をみると、全癌では、距離に従って癌が増えるというモデルで有意差があるが、その癌の分類をみると、実は白血病でしか有意でない。小児白血病以外の癌患者は有意ではないし、そもそも中枢神経の腫瘍は原発のそばに寄ると減って…

この論文は前のKaatschの論文と手法データは同じ物

上の図1に載っている地図が研究対象となった原発です。小児白血病患者集団がいることが分かっているクルーメル原発に印をつけておきました。この研究の方法は、前に書いたKaatsch、2008の時と、全く同じです。というよりも、実は、同じデータセットを使って…

Spixの論文は放射線被曝ががんが増えている原因であるとは言っていない。

実際にこの論文の結論では、 In Germany 1980–2003 we see an increased risk for cancer in children under 5 years of age, particularly leukaemia, when living in proximity (power station. This observation is not consistent with most internation…

1980年から1990年の患者集団を入れないと、がん患者が増えているという結果にならない。

表5。これまでのドイツの研究の要約。 左側の拡大。 右側の拡大。 ここで表5をみると、これまでのドイツの疫学調査での結果は有意差なしとありの二つのパターンがあることが分かります。この結果をみると、有意差があると結論を出しているのが、3つ、ない…

もう一つのドイツ原発で癌が多いという論文を検証してみる。

ECRR2010で低度被曝の放射線リスクがICRPの言っている数字より1000倍くらい大きいと主張している話は、『私がECRRを狂気の集団だというわけ』のところで書きました。そこで根拠として、Kaatsch, 2008とともに挙げてあったのが、Spix, Eur J Cancer 44: 275, …